メバル 警備所

伊豆東海岸の温泉町。何故か自衛艦が時々停泊,あやしからずや!私設警備所を設け観測するべし。でも、毎週来るわけでもないので、独り言が多いかも。

第七師団戦車射撃競技会 その3

第2状況 停止から標的命中まで

先ずは、戦車小隊(90式@4両)が、戦場、もとい、第2状況に於いて
どのような感じで射撃を行うか視て見ましょう。
DSCN6457.jpg
この小隊4両のうち3両が同じ標的を狙っているようです。
右端の90式の発射炎の中から、対戦車榴弾が飛び出しました。
さらに2両目の90式も発射炎が収まり、対戦車榴弾の尾部の曳光が、その左前方に見えます。
DSCN6401.jpg
これで、画像に写っている砲弾は2発となる。

右から3両目の発射炎に隠れていた砲弾も姿を現しました。
DSCN6459.jpg
合計3発のHEATが同一標的に向かっている事になります。

命中
DSCN6461.jpg
遥か向こう見える3の台に、弾着の爆煙が見えます。
このような感じで、小隊はお互いに連携を取りながら
敵、この場合は標的を射つのです。

では、これを踏まえて
第1状況を終えた90式は、HEATを射つ位置へ猛スピードで進んでいましたが
射撃のため急ブレー!車体のケツが跳ね上がります。
DSCN6465.jpg
ちなみに、この90式は無線アンテナに小さな赤い小旗が付いていることから、小隊長車という事になります。

停車した小隊長車は、左前方の3の台の標的を射つ。
DSCN6462.jpg
徹甲弾は走行間射撃(走りながら射つ)を行うが
対戦車榴弾(HEAT)は停車して射つ。
何故か?
国内の射撃場に於いては、徹甲弾の実弾射撃と言っても
実は、演習弾を使用しているのである。
演習弾は、徹甲弾と同じ性能(重量・初速・弾道等)であるが
2,300mほど飛ぶと、3つに分離して運動エネルギーを失い、地上に落下する。
これによって、標的を外したり、兆弾した砲弾が
射撃場から外に飛びだすのを防いでいる。
しかし、対戦車榴弾は本当の実弾を使用するため
トンでもない方向に飛んで行かないように
停車して射つのだと思います。

発射炎が広がります。
DSCN6463.jpg
DSCN6464.jpg

発射炎が収まると、砲弾の尾部に組み込まれた曳光剤の光(赤)が見えてきます。
DSCN6466.jpg
DSCN6467.jpg

標的に向けて砲弾が飛んで行きます。
DSCN6468.jpg
徹甲弾に比べ、かなり山なりの弾道を描きます。
対戦車榴弾(HEAT)は、高熱のジェット噴流で装甲に穴を開けて(モンロー効果)で
戦車内部に高熱の金属破片とガスを噴出して、戦車を破壊します。
モンロー効果は、装甲板より少し手前で爆発したほうが良く
そのため、HEATは缶詰(の蓋)に鉛筆をくっ付けたような形をしています。
また、モンロー効果のためには、砲弾の速度はなるべく低速の方が良いとのことです。
このため、どうしても山なりの弾道になるのだと思います。

おっと、左からもHEATが飛んで来ました。
DSCN6469.jpg
恐らく、小隊の一番左端の90式が射った砲弾でしょう。

2発の砲弾は、黄緑黄の標的に向かって行きます。
DSCN6471.jpg
DSCN6470.jpg

小隊長車のHEATが命中か?
DSCN6472.jpg
弾着の閃光は、標的の裏側で光っているようです。
左からの砲弾は、命中なるか?
DSCN6473.jpg
かあ~!惜しい、2両とも狙いが標的の上にずれてしまったようです。

すかさず、2発目を発射!
DSCN6474.jpg
自動装填のなせる業か、 次弾発射が早い!
DSCN6475.jpg
DSCN6476.jpg

おっと、左隣の90式も次弾を発射していたようです。
DSCN6477.jpg
今度こそ、命中なるか?
DSCN6478.jpg
ちょっと、弾道が低いような気がしますが。
DSCN6479.jpg

やはり、弾道が低く、弾着は標的の下側にそれたようです。
DSCN6480.jpg

その時、左の90式からの3発目が
DSCN6481.jpg

お~!命中か?
DSCN6482.jpg

見事命中!
DSCN6483.jpg
これで、一つの標的に5発のHEATを使用したことになり
砲弾を多く使用したことにより、他の標的を撃つ事が出来なくなる可能性が有ります。
また、射つ事が出来ても、この標的にかなり時間を費やしてしまいました。
等々で、この小隊の得点が低くなってしまいます。

さて、初弾必中が戦車乗りの命です。
90式は、射撃統制コンピューターや砲制御システム、そして環境センサー等による
FSC(射撃指揮装置)を備えています。
このため、初弾必中が当たり前の様に言われていますが
何故外すのでしょう?
まず、環境センサーからの風速・風向・気温・湿度等の情報は
標的が設置されている場所の物ではありません。
この射撃大会では、第1状況に入る前に待機している場所(標的から2~3km離れている)で
射撃統制コンピューターに入力するそうです。
このため、計算値とは異なる弾道を描く可能性が有ります。
また、競技参加隊員は極度の緊張感の中にあり
普段は、やる事がないミスを犯すのだそうです。
これらの、理由により標的を外してしまうだそうです。
だからこそ、この実践的な戦車射撃競技会が必要であり
また、普段からの錬成が大切ということになります。
頑張れ、第7師団!

おまけ
DSCN2287.jpg
2~3日前から「日本丸」が、沖合に停泊しています。
長い航海の跡らしく、錆びや船底塗料の落ち等が目立ちますが
やはり、貴婦人の雰囲気が漂います。
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  1. 2017/03/08(水) 16:06:23|
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コメント

上げて!上げて!

極度の緊張感、実戦だったら、なおさらのこと、極度の超!超!!緊張感!!!が~(;゜∇゜)
スポーツでも、受験でも、緊張しすぎて、持っている力を充分に発揮できないことはよくあることですね。
だが、しかーし!
国を守る大事な任務、アクシデントが起きても、対応できる精神力を養ってほしいです。
失敗して、失敗を生かし、経験値を上げていただきたいです。
お給料も上げていただきたいですm(__)m
よろしくお願いします。
  1. 2017/03/08(水) 19:22:54 |
  2. URL |
  3. よんよん #rqAqbz9.
  4. [ 編集 ]

こんばんは。

標的位置の火器管制のためのデータを精度
良く推定出来たら素晴らしい。
難しいのでしょうね。
後はレーザー誘導とか。
砲弾を複雑にすると耐久性が落ちるでしょうし、
無理か・・・。

最後のおまけの日本丸、いつ見ても美しい。
帆船ってロマンの塊ですね。
  1. 2017/03/08(水) 21:10:40 |
  2. URL |
  3. ichan #-
  4. [ 編集 ]

Re: 上げて!上げて!

こんいちは、よんよんさん

> 極度の緊張感、実戦だったら、なおさらのこと、極度の超!超!!緊張感!!!が~(;゜∇゜)
競技に参加している隊員は、部隊の名誉を背負っているので
極度に緊張すんだそうです。
皆さん、旗持って応援しているし
当然、偉いさん達も、見学者とは別テントで見ている筈
中隊長<連隊長<師団司令官(陸将)・・・堪りませんわな(>_<)
一番怖いのは、同僚の口だったりして?

> スポーツでも、受験でも、緊張しすぎて、持っている力を充分に発揮できないことはよくあることですね。
> だが、しかーし!
> 国を守る大事な任務、アクシデントが起きても、対応できる精神力を養ってほしいです。
> 失敗して、失敗を生かし、経験値を上げていただきたいです。
> お給料も上げていただきたいですm(__)m
> よろしくお願いします。
アメリカのヤキマ演習場みたいな場所が有ると良いんですがね。
本物の徹甲弾を、古くなった74式あたりに向けてバカスカ射てるような演習場。
日本は狭いもんね、無理でしょうね(>_<)
お給料、麻生君と稲田君に言っておきますって冗談です!(^^)!

  1. 2017/03/09(木) 11:27:15 |
  2. URL |
  3. メバル所長 #-
  4. [ 編集 ]

Re: タイトルなし

こんいちは、ichanさん

> 標的位置の火器管制のためのデータを精度
> 良く推定出来たら素晴らしい。
> 難しいのでしょうね。
標的とデータを入れる場所は2~3km離れていますので、無理かと思います。
そして、それだけ離れていると
地形の複雑な日本では、風速も風向も違っているが普通だと考えられます。
その内、戦場では常に前方へドローンを飛ばしおき
敵を探ると共に観測データを収集するなんて時代が近いかもしれませんね。

> 後はレーザー誘導とか。
> 砲弾を複雑にすると耐久性が落ちるでしょうし、
> 無理か・・・。
レーザー誘導でしたら対戦車ミサイルの方が現実的ですね。
01式軽対戦車誘導弾は、赤外線画像方式で撃ちっぱなしだし。
敵戦車を見つけて、ミサイルにこの戦車を見せて撃てば
後はミサイルが勝手に飛んで行ってやっつけると、いう具合です。
戦車の主砲からミサイルを射つ、という方式はアメリカやロシアで有りましたが
あまり、一般的になりませんでしたね。

>
> 最後のおまけの日本丸、いつ見ても美しい。
> 帆船ってロマンの塊ですね。
  1. 2017/03/09(木) 11:48:18 |
  2. URL |
  3. メバル所長 #-
  4. [ 編集 ]

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Author:メバル所長
子供のころから、自衛隊それも海上自衛隊が好きなオッサンです。
かわぐちかいじの「沈黙の艦隊」「ジパング」などではなく、小沢さとるの「サブマリン707」「青の6号」で育ちました。
あまり、Deepではなく、どちらか言うとミーハーなファンかな?
警備所の任務を果たすべく、日夜頑張るつもりであります。

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